定期的な歯のクリーニングはなぜ必要?

歯のクリーニング

「歯の定期的なクリーニングに行っていますか?」と聞かれて、「はい」、と答える人は3割にも満たないそうです。

最近になって予防歯科という言葉が、テレビコマーシャルでも大々的に宣伝されるようになりましたが、それでもまだ、予防歯科という言葉を知らない方もたくさんいます。

そんな予防歯科でポイントとなってくるのが、「定期的な歯のクリーニング」です。

虫歯も歯周病もない人はもちろん、一度、歯の治療を完了した方、例えば根っこの治療からスタートして、かぶせモノの治療が完了した方は、それで歯医者さんの治療はほとんどの方は終了だと思うかと思います。

ですが、一度でも治療をした方こそ、定期的なクリーニングが必要です。

そんな定期的なクリーニングがどうして必要なのかについてご紹介します。

定期的な歯のクリーニングは、まずどんなことをするかというと、歯科医院にもよりますが、歯を専門のブラシのついた機械を使ってきれいにします。さらに、歯石が付いている方は、スケーラーという道具を使って歯石取りもします。

さらに、タバコを吸う方や、コーヒー、紅茶をよく飲む方は、ステインという着色汚れがついて、歯が黄ばんでいるため、着色汚れを専用の歯磨き粉(歯医者さん専売のもの)などを使って落とします。

このように歯の掃除をすることによって、歯の表面はツルツルになって、気分がよくなります。

歯の定期的なクリーニングは、この「ツルツル」を目的にしています。

どうして毎日歯磨きをしているのに、専門家の歯科衛生士さんや歯医者さんに歯をクリーニングしてもらうと、歯がツルツルになるのでしょうか?

それは、専用の機械で「バイオフィルム」を破壊しているからです。

バイオフィルムって何?と初めて聞く方もいらっしゃるかもしれません。

でも、バイオフィルムはまず、知らない方はいらっしゃいません。

主婦の方は特にご存知のはずです。バイオフィルムとは、「ヌメリ」のことです。

このヌメリは透明で見えないですが、このヌメリを足がかりにして、食べカスであったり、プラークがつきやすいのです。

例えば、キッチンの流しの排水口は、毎日食器を洗っているのに、掃除をしていないと、ヌメリでベトベトになりませんか。また、お風呂もしっかりと洗わないと、しっかりと洗えていないところには、ヌメリがでてきませんか?

このヌメリが「バイオフィルム」です。

このバイオフィルムというのは、特殊な膜に覆われた中にたくさんの細菌がウジャウジャと生息しています。

この特殊な膜、バイオフィルムに守られている菌は専門の器具や、強い殺菌剤などを使わないととれません。

例えば排水口のヌメリをとるなら、しっかりとこするか、塩素などの強い洗剤を使わなくてはいけませんよね?

歯周病が進行した方は、お口が気持ち悪いということを訴えてくる方がいますが、これはすべてバイオフィルムが歯の表面を覆っていて、ヌメヌメして気持ち悪いのです。

また、健康な人でも、毎日歯磨きをしていても、少しずつこのバイオフィルムは作られていきます。手磨きには限界があるので、仕方がないということです。

でも、マウスウォッシュなどで、このバイオフィルム、ヌメリを取れそうな気がしますが、排水口のヌメリをマウスウォッシュでとってみてください。おそらく、意味がないですよね。

当然、しっかりと細菌を守っているバイオフィルムには、このマウスウォッシュは外側には効果があっても、中心までは届きません。
もし、バイオフィルムをすべて破壊する薬を口の中にいれたら、お口の粘膜はボロボロになってしまいます。

だから、歯医者さんで専用の器具を用いた歯の定期的なクリーニングが必要なのです。

バイオフィルムは、毎日少しずつ歯を磨いていても、少しずつ少しずつ大きくなります。それを一ヶ月に一回、3ヶ月に一回の定期的なクリーニングによって破壊することで、細菌が口の中をいっきに減らすことができます。

細菌が減れば、バイオフィルムも小さくなり、マウスウォッシュもしっかりと効果を発揮します。

よく、風邪を引いて免疫力が下がると、お口の中が気持ち悪くなるという人がいますが、これはお口の中のバイオフィルム中にいた細菌がいっきに増えて、歯茎に炎症を起こすからです。

さらに一度でも、治療したことがある人は、被せモノやつめものは、天然の歯と比べても、ミクロ単位で見れば表面がザラザラしていますから、そのザラザラを足がかりにしてバイオフィルム、ヌメリがつきやすいので、よりヌメリがたまりやすいです。

ですから、歯の治療経験がある人は、歯の定期的なクリーニングが必ず必要です。

治療した歯から、ヌメリがついて、その上に歯の汚れがさらについて、歯周病や虫歯になりやすいからです。

主婦の方はきっと、お風呂掃除でも、トイレでも、キッチンの排水口でも、たまには、しっかりと塩素使ったりこすったりして、掃除しますよね。

たまにでもやらないと、臭いがひどくなるからです。それはたくさんの細菌が住んでいるお口も同じです。

ぜひ、お口の中のバイオフィルム、ヌメリを定期的なクリーニングで落として、快適なお口の環境を維持しましょう。

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