虫歯になったら、歯医者さん行って、キーンという独特な音の道具を使って、必ず歯を削って治療するものだと、そう思っていませんか？
実は、虫歯の進行具合によっては、歯を削らずに治せることもあります。ここでは、歯を削らずに治せる初期の虫歯についてご紹介します。
食べ物に含まれる糖分をもとにして、虫歯菌が酸を産生し、その酸によって歯が溶かされることで、虫歯ができます。
しかし、私達の歯も簡単に溶かされるようにできているわけではありません。歯の表面はエナメル質という、体の中で最も硬いとされている組織です。そう簡単には溶かされません。
エナメル質に含まれるミネラルが酸によって溶かされることを脱灰と呼びます。この脱灰が起きたとしても、唾液中のミネラルが沈着して、エナメル質のミネラルが溶け出した弱い部分に作用して、もとの状態に戻してくれます。
しかし、ずっと歯を磨かない状態が続くと、歯の表面には、酸を産生する虫歯菌が居続けるわけですから、そのうち、歯は溶かされてしまい、虫歯となります。
虫歯には、その病気の進行に段階があります。はじめは、歯の表面のエナメル質が溶かされているだけです。この段階は初期であるため、まだ穴は空いていません。
そして、さらに酸による浸食が進むと、穴がぼっこりと空いて、甘いものや冷たいものがしみて、痛みを感じます。虫歯がさらに進行すると、歯の中の神経まで虫歯菌が感染して、神経を腐らせてしまいます。こうなると、温かいものを食べても痛くなり、ズキズキとした痛みが常にあるようになります。
穴が空いてしまっては、歯を削らなくてはいけませんが、歯のエナメル質表面だけ溶かされている初期の虫歯であれば、歯を削る必要はありません。
初期の虫歯を治療するには、歯にフッ素を塗布してもらい、再石灰化といって、溶け出した弱い部分にフッ素を塗って強化する方法があります。
初期の虫歯は、見た目が歯よりも濁った白をしており、穴が空いていない状態です。これを放置しておくと、虫歯が進行して穴が空きます。
穴が空く前に、歯医者さんに行ってフッ素を塗ってもらいましょう。またそれと同時に、自分もしっかりと歯を磨きましょう。
歯を磨くときには、フッ素入の歯磨き粉や、デンタルリンスを使うことで初期の虫歯になったところを再石灰化して、強くしてくれます。
また、ガムでも、再石灰化が可能です。キシリトールガムではなく、歯の再石灰化ができるガムと表記しているガムがあります。これは、牛乳由来成分が配合されており、エナメル質のミネラルが溶け出した弱い部分に、ガムに含まれる牛乳由来成分のカルシウムが沈着して、再石灰化を促してくれます。すべてのガムがこの再石灰化の効果を持つわけではありませんので、必ず再石灰化効果があると表記されたガムを選んでください。
初期の虫歯は、削らずに治すことができます。歯の表面をみて、白く濁った場所がある場合は、初期の虫歯です。 初期の虫歯かな？と思ったら、歯医者さんに行ってフッ素を塗ってもらったり、フッ素入の歯磨き粉やデンタルリンスを使いましょう。
