「歯の矯正は自力でできないのか」に集点を当てて、説明します

患者さんから、『歯の矯正治療はどうしてあんなに高いの?』、そして、『自力で歯を矯正できないの?』という質問をよくされます。

どうして、歯の矯正は治療費が高いの?

歯医者さんやお医者さんは6年間の専門の勉強を経て、国家試験という難関をくぐり抜けて、歯医者さんやお医者さんになります。

しかし、さらにきちんと治療できるように歯医者さんは一年の研修が義務化されています。そして、矯正の専門医になるにはさらにそこから最短で5年必要です。最短で矯正の専門医なれるには、合計すると、12年もの月日が必要です。

もちろん、勉強はタダではできません。それなりの学費を支払います。

歯の矯正治療を受けるその背景には矯正専門医の長い時間の努力と高額な勉強への費用があります。

他にも材料費やレントゲン装置などの検査施設が必要ですので、歯の矯正の歯医者さんは利益をあげるには実は時間がかかっています。また、矯正は基本的には保険が効かないので、全て自己負担となります。ですので、高額になります。

どうして、こういう話が必要かというと、こういった背景を理解した上で、自力で矯正はできないということを理解していただきたいのです。

自力で矯正できないの?

一般の歯医者さんも矯正の知識はあります。でも、実際に歯を動かす治療の手技は習得していません。歯を自力で動かすことが仮にできたとすると、歯医者さんのお子さんは全て歯並びがいいはずです。

でも、実際は歯並びが悪い自分の子供は矯正の専門医に治療を頼んでいます。そう、歯の知識がある歯医者さんでも、自力で歯を動かすことはできないのです。

ですので、一般の皆さんは、自力で矯正をすることは絶対にすべきではありません。

矯正は長い時間をかけて、少しずつ、理想的な歯並びへなるように成長を誘導しています。少しでも力の方向が違えば、全然噛めなくなることもあります。それくらい、とても難しい治療です。

よく、出っ歯の人は唇を無理やり閉じれば、出っ歯が治るという情報をネット上でみますが、間違っています。唇からかかる力で前歯は少し引っ込むかもしれませんが、後ろの奥歯が後ろに動き、物が噛みづらくなったりする可能性もあります。

他にもベロで、ガタガタのところを動かそうと毎日押しているとさらにガタガタになる場合もあります。またそういった癖(悪習癖といいます)はなかなか改善されないので、ものが食べづらくなっていたり、いざ、矯正治療をしたときに、治療後、後戻りの原因になります。

以上の理由から自力で矯正することは、 私は絶対にオススメしません。

矯正の治療費用は高いですが、将来、歯並びが悪くて、虫歯になって、歯を失うことを考えれば、決して高くはないはずです。

もちろん、見た目もよくなって、モテモテの人生を手に入れられるかもしれません。

ぜひ、矯正治療は未来への投資だと思っていただければと思います。

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