今回は虫歯の治療のときに行われる“詰め物”について、説明します。
虫歯を治療してもらうときに、歯医者さんに詰め物をしてもらいますよね。詰め物の治療は歯医者さんの専門用語で、「修復物」といいます。
この修復物の治療で、保険が適用される治療には主に2種類あります。
- コンポジットレジン修復
- インレー修復
保険治療には、それぞれメリットデメリットがあります。患者さん個人個人で、何を重要視するのかで、治療は左右されます。
その他の、保険が適用されない治療は、“自費治療”となります。もちろん、保険が適用でないケースは、希望してもやってもらえないこともありますので、注意してください。
コンポジットレジン修復
コンポジットレジン修復というのは、前歯の小さい虫歯などに、使われているいわゆる“白い詰め物”です。コンポジットレジン修復のメリットは、何よりも白いということです。
今までは、金属の材料しかありませんでしたから、このコンポジットレジン修復ができてから、保険が適用される治療であっても、見た目がとてもきれいになりました。
また、金属の材料ではなく、特殊な樹脂材料ですので、金属アレルギーの心配がありません。近年、長年口の中に金属の詰め物があることで、その刺激が何年も、何十年も経て、アレルギーを引き起こすという報告がされています。ですので、こういった金属を使わないコンポジットレジン修復は、私達にとって、とても素晴らしい治療といえます。
コンポジットレジン修復のデメリットは強度です。金属と比べると、その強度に劣るため、奥歯の治療にはあまり使えません。また、前歯でも、あまりにも虫歯が大きいケースでは、負担が大きいため、金属の裏打ちのある、被せ物の治療が選択されます。
このように、虫歯の範囲が大きければ、基本的にこのコンポジットレジン修復治療は最適ではありません。
しかし、技術の進歩により、材料強度が上がり、奥歯でもコンポジットレジン修復治療が可能になってきました。ただし、高度な技術が必要であるため、保険がきかないケースもあります。
歯科医院によって、保険のきくケースなのか、きかないケースなのかをよく説明してもらうことが大切です。
もうひとつ、このコンポジットレジン修復のデメリットとして、吸水性があります。つまり水を吸う性質があるため、毎日の食事や飲み物で少しずつ色がついていきます。
ですので、およそ2年で見た目が悪くなってしまいます。ステインを多く含む飲み物、コーヒーや紅茶、ワインをたくさん飲む人はもっと早く色がついていきます。
インレー修復
次にインレー修復という治療があります。これはいわゆる銀歯と言われるものです。奥歯は噛む力がなんと体重の5倍もかかるといわれています。その力には強度がいりますから、奥歯やあまりにも虫歯が大きいときに行われる治療となります。
インレー修復のメリットは、強度が強いため、奥歯にも適用ができますし、虫歯が大きくても、治療が可能です。
デメリットは、金属でありため、見た目がよくありません。また、金属アレルギーの可能性がありますし、現在、金属アレルギーがある人には適用ができません。
自費治療
保険で使える材料には制限があるため、こういった、見た目も、強さも実現した材料は残念ながらありません。もし、見た目も、強度も両方叶えたいのであれば自費治療をおすすめします。
自費治療は高くなりますが、その分、壊れやすい、色がつきやすいといったトラブルが減りますし、何よりも見た目がとてもいいです。
おわりに
虫歯の治療にも、実はたくさん種類があったことを知っていただけましたでしょうか。
なるべく自分の要望にあった治療を受けましょう。そして、そのときに保険治療では制限があることを知っておきましょう。
詰め物をしてもらったら、健康な歯よりも虫歯になりやすくなります。どんなに高価な治療でも、元の体が一番最高の状態ですから、元の歯よりも、劣っています。
どんなに素晴らしい治療でも、普段から歯磨きをしていなければあっという間に虫歯になって、意味がありません。詰め物をしてもらったら、今までよりも虫歯になりやすいので、今まで以上に歯磨きを頑張ってくださいね。
