今、小学生のむし歯の平均本数はなんと全国平均でなんと1本以下という驚異的な本数となっています。
つまりほとんどの小学生の虫歯はゼロもしくは、虫歯があっても1本くらいしかないということです。
では、そんな虫歯予防大国になった日本において予防歯科に通う意味って正直あるのでしょうか。
予防歯科の正直なところ、子供のための予防歯科についてご紹介します。
子供のために予防歯科はいらない?
こんなにも虫歯になっている子供が少ないし、自分の子供も虫歯に困っていないのだから、わざわざ予防歯科に通う必要はないのじゃないのか、と感じるお母さんも多いかと思います。
確かに、歯磨き粉をしっかりと使うようになって、フッ素を毎日使っていたり、シュガーレスのガム、キシリトール入りのガムがガムのシェアのほとんどを占めるようになって、社会的にも虫歯に苦しむ患者さんは全盛期のときと比べると激減しています。
お母さんたちも、歯を磨かないなんて、不衛生、という概念が定着しているので、一見、わざわざ歯医者さんにいって、予防歯科に通う必要は、若いときに限っていえば、必要ないように感じます。
では、お子さんが成長し、成人し、社会人になったときに目を向けてみましょう。
歯を失う原因は、実は、虫歯、歯周病だけではありません。
噛み合わせによっても、歯に負担がかかって、歯や骨が噛む力によって弱くなって、そこに口の中にいる虫歯菌や歯周病が感染して、歯が痛くなったり、最悪の場合、歯を抜く必要があるというケースが増えつつあります。
小さいときは歯並びが悪くても、お母さんが歯をしっかりと磨いてあげたり、食生活も家族と生活しているので、虫歯リスクの高い状態でも、お口の中をきれいな状態にキープすることが比較的簡単です。
そのため、子供のうちは、虫歯にならずに、そのまま大人になります。
ですが、社会人になり、仕事が忙しくなって、不規則な生活、乱れた食生活、そしてストレスによって、親元にいたときよりも、虫歯のリスクが上昇します。
そしてもともと、噛み合わせの状態が悪いので、いっきに歯に負担がかかり、痛みなどの症状が、社会人になってでてくるということです。
しかも、子供のときは比較的、治療に時間がとれていたのですが、社会人になれば、仕事のかわりはいなかったり、我慢できない強烈な痛みにまでならないと、仕事を休んで歯医者さんに行くなんて難しいというのが現実です。
したがって、強烈な痛みになってから行くので、その時点で歯の治療をすれば、歯の寿命は当然短くなりますし、歯を失う可能性も高くなります。
そして歯が1本なくなるごとに、さらに噛み合わせが悪化して、また歯が悪くなって、という悪循環を繰り返すのです。
では、どうすればいいのでしょうか?
社会人になってからの虫歯や歯周病リスクを減らすためにこそ、子供の予防歯科が大切なのです。
未来のための予防歯科
予防歯科では単に虫歯予防をしているだけではありません。
食育といって、どういった食事をすれば、顎の成長を促し、矯正治療をしなくても、健全な歯並びに誘導できるかといった指導も行っています。
またどうしても現代社会では、食事が柔らかくて噛みやすい食事が多いので、正しい姿勢で、噛む回数を増やすような食べ方などを指導することによって、顎の成長を促す指導も行います。
こういった噛み合わせにアプローチする予防を子供のときに受けておくことで、正しい食べ方、姿勢をみにつけることができ、虫歯や歯周病になりにくい噛み合せになり、大人になってからの虫歯や歯周病リスクを減少させることができます。
ですから、今の子供の歯を守るのではなく、未来の子供のために通った方がいい、それが予防歯科なのです。
お子さんの未来のために、ぜひ予防歯科に通ってあげてくださいね。