虫歯ゼロか、口腔崩壊か、最近の子供たちの虫歯事情

検診

最近、歯科検診や歯医者さんに来るお子さんの口の中をみていると、とってもきれいなお口をしているお子さんと、虫歯だらけで、どこのむし歯から治療していけばいいのかわからない、というお子さんの両極端です。

ちょこっと虫歯がある、というお子さんはむしろ珍しいくらいです。

そんな子供たちの虫歯事情について歯科医の立場から感じることをご紹介します。

子供の中で広がる歯の格差

子供の格差がニュースでも話題になっていますが、歯はその格差がもろに現れる場所です。

やはりお母さんやお父さんのむし歯に対する予防の意識が高いお子さんであれば、虫歯のない状態から歯医者さんに通うので、虫歯の痛みもなく、しっかりとおいしいご飯を食べることができます。

一方、子供が痛みを訴えるまで歯医者さんにつれていかない、というご家庭の方もいます。

その時点でまだ歯医者さんにつれていってもらえればいいのですが、どうしても家庭の事情でつれていけなくなると、だんだん歯の神経も死んでいくので、いったん痛みがおさまり、そのまま放置していくということを繰り返します。

その結果、ほとんどすべての歯が虫歯になり、神経までの大きな虫歯になり、口腔崩壊という状態を引き起こします。

口腔崩壊という状態は、ほとんどすべての歯が虫歯になり、歯の頭の部分も虫歯でボロボロでなくなってしまっている状態です。

噛むことができないので、おかゆだけしか食べられない、やわらかいお菓子なら食べられるといった食生活にまで大きな影響を与える状態です。

こうなってしまうと、あとあと生えてくる永久歯も虫歯だらけになり、最悪の場合、10代で入れ歯、ということも十分に考えられます。

このように、今の子供は、さまざまな社会的な要因が関係し、虫歯がゼロか口腔崩壊がといった両極端な状態を引き起こしています。

歯の格差をなくすためにも定期的に予防にいこう

こういった子供の歯の健康の格差をなくすためにも、定期的に予防にいくことが大切です。

自治体によっては子供の医療費の助成を受けることができます。

地域によっては中学生まで医療費が助成されるという地域もあるので、子供の虫歯が深刻になる前に、そういった制度を利用して、歯医者さんで治療をうけて、まだ虫歯になっていない歯も予防してもらうようにしましょう。

また、必ずどこの自治体も1歳半検診、3歳児検診があり、そのほとんどでフッ素塗布を行っています。

歯医者さんに行って予防したり、治療を受けさせるのが難しい、といったご家庭の方は、こういった自治体が行っている歯科検診に参加し、フッ素塗布を積極的に受けるようにしましょう。

他にも2歳児の歯科検診、2歳半の歯科検診を行っているところもあります。

また、年に1回は歯のお祭りなど地域の歯科医師が予防のためにやっている取り組みがあり、そういったイベントに参加すると、歯科検診を受けることができたり、無料でフッ素塗布を受けることができるので、そういった機会を最大限活用することも大切です。

ぜひ子供の歯の健康を守るために、そういったイベントも活用してみてくださいね。

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