実際、「歯磨き粉は何を選んでいいのか全然わからない」という方が多いと思います。お口の悩み別にオススメの歯磨き粉をご紹介していきます。
自分のタイプを知って、ぜひ自分にあった歯磨き粉を選んで、お口の悩みを解決しましょう。
歯磨き粉はいらない？
昔から、「歯磨き粉はいらない」「つけないほうがよく磨ける」「化学薬品が気になるから子どもには使わせていない」など、様々なことが言われています。
歯磨き粉はつけた方がいいのか？ということに関しては、もちろん、つけた方がいいと思います。
今では、お口の悩み別に様々な歯磨き粉が販売されています。
日本国民の約8割が、歯周病である現実を踏まえると、大半の方は歯磨き粉をつけた方がよいといえます。
もちろん、歯周病だけでなく、歯の着色汚れや虫歯に特化した歯磨き粉もあります。
歯磨き粉選びのポイント
歯磨き粉選びのポイントは、自分のお口の中、状態をしっかりと確認することが重要です。
お口の状態をしっかりと把握することで、自分にあった歯磨き粉を選ぶことができます。
お口の中の状況といっても、同じ人でも、時期や年齢によって日々、お口の中は変化します。
ですので、今の自分のお口にあった、お口の悩みにあった歯磨き粉を選びましょう。
まず、歯の黄ばみが気になる人は、ホワイトニング歯磨き粉がおすすめです。
しかし、ホワイトニング歯磨き粉の中には、歯を傷つけてしまう研磨剤が多く配合されており、継続して、使用することで歯が削れてしまう歯磨き粉があります。
ですので、歯の着色汚れを浮かせて落とす成分、ポリリン酸ナトリウムが配合されている歯磨き粉を選びましょう。
次に虫歯が気になる人は、フッ素が高濃度に配合されている歯磨き粉を選びましょう。
これもまた、研磨剤があまり配合されていないものを選んでください。
研磨剤が配合されていると、どうしても歯磨き粉の粘度が固くなってしまい、お口の中に残るフッ素が少なくなってしまいます。
ゆすいだ後も、しっかりとフッ素が残る歯磨き粉を使うことで寝ている間も、フッ素が歯をコーティングしてくれて、虫歯予防をしてくれます。
次に、歯茎から血や膿が出たり、口臭が気になる人は、殺菌性の高い歯磨き粉を選びましょう。
口臭の原因は、歯周病菌による歯茎の炎症です。歯茎に炎症がおこり、出血をおこして、腐ったような臭いをだすので、口臭がきつくなります。
ですから、この口臭を予防するためには、歯周病菌をきちんと殺菌して、歯茎を健康にする必要があります。
歯茎から血や膿が出ると、口臭がきつくなるので、その原因である、歯周病をしっかりと改善、予防することで、口臭は改善できます。
歯周病が気になったり、口臭が気になってしまう方は、殺菌力のある、歯磨き粉をしっかりと選びましょう。
また、歯周病が進行して、歯茎が下がってしまって、口元に自信がなくなってしまった方は、歯茎下がりを予防する成分、塩化ナトリウムや、ビタミンEが配合されているものを選びましょう。
この歯茎下がりを予防する成分が歯茎を活性化して、いつまでも健康な歯茎に導いてくれます。
そして、とくにこれといってお口の悩みはないけど、どんな歯磨き粉を使っていいかわからない、という人には、すべての成分が天然素材で作られている、オーガニック歯磨き粉がおすすめです。
歯磨き粉は、どうしても、たくさんの保存料などの化学合成材料が含まれています。
ですので、小さなお子様はもちろん、添加物が気になる方は、完全オーガニック歯磨き粉がおすすめです。
とくに歯科医院専売品の歯磨き粉では、オーガニック歯磨き粉でありながら、殺菌成分が配合されているので、虫歯や歯周病も予防できます。
また、食べても安全であるため、うがいがなかなかできない、要介護者にも、このオーガニック歯磨き粉はおすすめです。
最後に虫歯ではないけど、歯がしみる！という人におすすめの歯磨きは、知覚過敏専用の歯磨き粉です。
知覚過敏専用の歯磨き粉は、塩化アルミニウムや硫酸亜鉛などが過敏になった神経の興奮を抑えて、歯がしみやすい上体改善してくれます。
ですので、虫歯ではないのに、冷たいものがしみる方は知覚過敏専用の歯磨き粉を選びましょう。
このように歯磨き粉には、人それぞれ、お口の状態や悩みによって、選ぶポイントがあります。
虫歯にはやっぱりフッ素
虫歯になりやすい方にはフッ素含有の歯磨き粉をおすすめします。フッ素は虫歯になりかけの状態を再石灰化といって、虫歯になりかけて、柔らかくなりかけている歯を再び硬くしてくれます。
フッ素含有の歯磨き粉の使い方は歯ブラシを濡らさずに歯磨き粉をたっぷりとつけることです。
歯ブラシを濡らしてないと汚い感じがする方は歯ブラシの毛先の水分をよく落してから、歯磨き粉をつけてください。そうすることで歯磨き粉に含まれるフッ素濃度を維持でき、より再石灰化の効果が期待できます。
よく、つけすぎたらダメと効いたことがあるかもしれませんが、それは発泡性(泡立ちのよさ)が高い歯磨き粉の場合です。フッ素含有で低発泡性の歯磨き粉の場合は効果をより発揮するために、たくさん歯磨き粉をつけましょう。
⇒ 虫歯の人におすすめの歯磨き粉
⇒ チェックアップは虫歯予防の効果が高い歯磨き粉
（虫歯の方にオススメ）
「子供」にオススメする歯磨き粉
子供におすすめするのは、やはりフッ素含有で低発泡の歯磨き粉です。
とくに幼稚園から、小学生までは乳歯の生え変わりがあります。生えたての乳歯や大人の歯はとても弱いですが、逆にフッ素を取り込みやすく、歯とフッ素が結合したフルオロアパタイトという結晶は、歯の通常の結晶よりも強いので、虫歯になりにくくなります。子供のうちからこの歯の結晶が作られていると生涯、虫歯になりにくくなります。
また、最近はめったにみないですが、美味しいフルーツ味の歯磨き粉の中には稀に甘味料としてショ糖が含まれているものもあります。キシリトールなら問題ないですが、そういった成分にも充分に注意しましょう。
（子供にオススメ）
「歯肉炎」に効果的な歯磨き粉
歯茎がムズムズして、歯磨きをするたびに歯茎から血が出たら、もしかしたら歯肉炎かもしれません。
口の中に食べカスなどがあると、菌が大量に繁殖して有害な物質を分泌し、歯茎が炎症をおこし、歯茎が腫れたり、痛みがでて、出血もします。
こうして、歯茎に炎症が起きている状態が、歯肉炎です。
歯肉炎を一日でも早く治したいときには、歯磨きをしっかりして、細菌を徹底的に除菌することです。
このとき、歯肉炎を早く治癒させるために、「歯磨き粉」選びが重要となってきます。
歯肉炎を早く治すためには、「炎症を抑える成分」「歯周病菌を殺菌する成分」「歯茎の治癒を促進する成分」が配合されている歯磨き粉を使用するのがポイントです。
⇒ 歯肉炎を早く回復させるために ～歯磨き粉選びのポイント～
⇒ システマSP-Tジェルには殺菌力の高いイソプロピルメチルフェノールが配合！
（殺菌力の高い歯磨き粉）
「歯周病」の方への歯磨き粉
歯周病のお口は炎症によって歯茎が腫れています。歯茎からの出血があったり、ひどい場合は歯茎から膿がでてくる人もいます。また、歯と歯ぐきの隙間にベトベトした歯垢がこびりついています。
こういったお口の状態の方は、研磨剤無配合の歯磨き粉を選びましょう。研磨剤は歯ぐきには刺激があるので、歯ぐきの腫れを早く治すためにも、無配合のものを選びましょう。
また、販売会社によっても異なりますが、殺菌成分を含むものがおすすめです。
他にも血流を促進し、歯ぐきの腫れを早く改善してくれるビタミンEを含んだものもあるので、そういった成分を含む歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
⇒ 歯周病の歯磨き粉で悩んだら、参考にしてくださいね
⇒ リペリオを購入する前に知っておきたい最大の特徴
⇒ システマSP-Tジェルで歯周病を改善！圧倒的な殺菌力の違い
（歯周病の方にオススメ）
「歯の黄ばみ」が気になる方への歯磨き粉
歯の着色汚れはステインと呼ばれます。
ステインは研磨剤で落とすとキレイになりますが、研磨剤がたくさん入っていると歯のエナメル質を傷つけて、傷つけたところからまたステインがつくというサイクルを繰り返すので、あまり私はオススメしません。
ピロリン酸という成分を含んだ歯磨き粉をオススメします。
これは、ステインを浮かして落としてくれますので、歯にもとても優しいです。また、電動歯ブラシによってはホワイトニングモード付きのものがあるので、それと組み合わせると、振動とホワイトニング成分で、普段から自然な白さを手にいれることができます。
⇒ 自宅でできる、ホワイトニング用の歯磨き粉について
⇒ ブリリアントモアは歯科専売のホワイトニング歯磨き粉
（歯の黄ばみが気になる方にオススメ）
歯がしみる「知覚過敏」の方への歯磨き粉
虫歯じゃないのに、歯がしみる方がいます。これは、知覚過敏といって、歯のエナメルがはがれて、歯がしみやすくなっている状態です。
これには硝酸カリウムという成分が入っている歯磨き粉がおすすめです。
これは、むき出しになっている神経を少しずつ麻痺させて、しみにくくしてくれます。このタイプの歯磨き粉もたっぷりとつけることで、効果を発揮します。とくにしみるところには、刷り込むように磨くといいです。
⇒ 冷たいものが歯にしみる知覚過敏には、専用の歯磨き粉がおすすめ
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（知覚過敏の方にオススメ）
「オーガニック 100%」安心歯磨き粉
化学薬品完全にフリーのオーガニック 100%の歯磨き粉があります。子供にはもちろん、歯周病の方にもオススメです。実は、こういった歯磨き粉は食べても大丈夫なので、介護の分野で注目されています。
殺菌成分もあり、保湿効果もあるので、お口がよく乾く人にも最適です。
ただし、注意点があります。オーガニックをうたっている商品は確実な効果がないものも中にはあります。
確実に殺菌効果のあるものは歯医者さんの専売の場合が多いので、お近くの歯医者さんに聞いてみることをオススメします。
⇒ 健康なお口の方にも、安全なオーガニック歯磨き粉がおすすめ
⇒ オーラルピースは効果がない？真実はコレ！
（オーガニック 100%歯磨き粉）
「インプラントが入っている患者さん」への歯磨き粉
今、お口の中にインプラントがある方には注意しなければならないことがあります。
それは市販の歯磨き粉ではなく、インプラント治療を行った歯医者さんですすめられる歯磨き粉を使用してください。フッ素などが配合されている歯磨き粉は使ってはいけません。
インプラントはチタンなどのネジを骨に埋め込む治療です。ですので、私達の歯と構造が全く異なります。特殊なコーティング加工が施してあるので、フッ素などの成分が、そのコーティングを剥し、インプラントをダメにしてしまう可能性があるからです。
市販の歯磨き粉でフッ素も研磨剤両方とも含まれていない商品をみつけるのはとても困難です。ですので、歯医者さんが高い歯磨き粉をすすめてきても、それは儲けるためではなく、インプラントを長持ちさせるためです。
今までご紹介した中ではオーガニック100%の歯磨き粉しかインプラント患者さんには使えません。
（インプラント専用歯磨き粉）
おわりに
歯磨き粉選びのポイントについてまとめましたが、歯磨き粉を選ぶときに、本当に知っておいてほしい、大切なことを歯科医の視点からご紹介します。
テレビコマーシャルでも、たくさんの歯磨き粉が宣伝されています。
薬局にいけば、数多くの歯磨き粉が所狭しと並んでいます。
ですが、中には本当に効果があるのか、よくわからないものも販売されています。
特にテレビやラジオ、インターネットの通信販売では、よくわからない成分がとりあえずたくさん配合されている歯磨き粉をよくみかけます。
利用者の声として、すごくよくなった！と書き込んであったりしますが、あくまでも専門家が研究し、証明された成分ではありません。
おそらく、そういった商品のほとんどは、歯磨き粉を使っていなくても、きちんと磨くことによって、お口の悩みが改善されたのではないか？と疑問に思うことがよくあります。
実際、歯周病でも、歯磨き粉をつけなくても、しっかりと歯磨きができていれば、ある程度、症状を改善することはできます。
歯磨き粉というのは、あくまでも、歯周病の症状を早く改善するために使われたり、歯をもっと自然な白さに近づけたり、虫歯予防効果を高めるために使うものです。
歯磨き粉自体は、最近どんどん優れた成分を配合されていますが、どんなに素晴らしい成分でも、しっかりと磨けていなければ、何の意味もありません。
歯磨き粉の成分をしっかりと引き出すためには、しっかりと時間をかけて歯を磨くことが重要です。
逆にしっかりと時間をかけて磨けている人は、歯磨き粉を利用しなくても、とくにお口のトラブルを抱えることはありません。
ただ、歯周病や虫歯を予防するために歯磨き粉を使ったほうがより確実に予防効果を高めることができます。
ですので、様々な情報がインターネットを中心に広がっていますが、本当に歯周病や虫歯に有効な成分かどうかをよく調べてから、購入したほうがいいです。
有効性が全く証明されていない歯磨き粉が、しかも高額で販売されているのをよく目にします。
そんな高い歯磨き粉を買うのであれば、歯医者さんで専門のケアをしてもらって、歯科医院専売の歯磨き粉を買ったほうがよっぽど、効果も証明されて、お口の悩みも早口改善できます。
どうしても、歯医者さんに行くのが怖くて、それを狙って、高い歯磨き粉を買わそうとするサイトもたくさん見受けられます。
そうではなく、きちんと効果のある成分が配合された、歯磨き粉をしっかりと買って、しっかりと時間をかけて磨くことが何よりも大切です。
変な情報に惑わされず、正しい知識を知り、自分のお口の中の状態にあった歯磨き粉を選んで、お口の悩みを改善しましょう。
そうすれば、いつまでも健康な歯と歯茎で美味しい物が食べられますよ。
