子供の歯をよく見てみると、ツノのようなものが生えているような状態があります。
これは中心結節(ちゅうしんけっせつ)とよばれるものです。
この中心結節があると、注意しないといけないことがあるので、子供の歯をよーく見てみて、歯の噛みあう場所の面のところに、ツノのようなものがあったら、要注意です!
そのままだと、突然、子供が虫歯がゼロだったのに、痛がったり、中には神経をとる処置が必要になってしまうかもしれません。
そんな歯の「中心結節」についてご紹介します。
中心結節とは?
中心結節という言葉を初めてきいた、というお母さんお父さんも多いかと思いますが、これは「歯の形態異常」というもので、つまり、歯の形が正常とは違うよ、ということです。
普通は歯の噛みあう面というのは複雑な形はしているものの、その中心にツノのようなとんがりがありません。
ですが、中心結節は、歯の噛みあう面に、ツノのようなものが出っ張っているので、噛むたびに、そのツノが折れてしまう可能性があります。
別に出っ張ってるんだから折れてもいいんじゃないの?邪魔だし、と思ったら大間違いです。
やっかいなことにこの中心結節は、中に歯の神経「歯髄」が入っていることがあります。
神経が入っていますので、もしご飯を食べていて、ポキッと折れてしまうと、神経が露出することになります。
神経がむき出しになれば、ダイレクトに刺激が伝わってしまいますから、温かい食べ物でも冷たい食べ物でも、痛みを感じるようになります。
さらに神経がむき出しのままの場合、虫歯菌などに感染してしまうと、非常に強い痛みがでて、歯の神経をとる治療が必要になってきます。
噛むのに邪魔なだけでなく、折れてしまうとすごくやっかいなのが、中心結節なのです。
では、中心結節が折れないように、痛みがでないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
中心結節は予防が大切
中心結節が折れないようにするには予防が大切です。
以前こちらのサイトで、生えたての永久歯の溝が深いので、「シーラント」という予防的な詰め物をするという予防方法をご紹介しました。
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歯の「シーラント」とは|歯の溝を埋めて虫歯予防
この永久歯が虫歯にならないようにする予防処置、シーラントを中心結節にも同様に行います。
ツノの周りをシーラントで埋めてあげることで、歯の噛む面を平な状態にしてあげることで、折れてしまうのを予防します。
歯の神経、歯髄は刺激が加わることで、徐々に固くなっていくという性質があります。
この性質を利用して、中心結節が折れないように処置して、処々に噛む刺激を加えていくことで、ツノの部分にある歯髄が固くなっていくのを待ちます。
歯は年齢があがっていくにつれて、少しずつすり減っていきますので、このツノがゆっくりと固くなりながら、すり減っていくようにします。
シーラントは、徐々にすり減っていくので、ツノの周りにつめたシーラントがとれてしまう可能性があるので、定期的に歯医者さんに行って、とれたら、また詰めて、突然折れないようにする必要があります。
この予防によって歯の神経をとる、「抜髄」という処置をしないように予防します。
歯の神経をしっかりと残すこの予防をすることで、歯は水分を長く維持することができ、歯の寿命を延ばすことができます。
ですので、お子さんの歯の寿命を延ばす前に、歯をよくみてあげて、もしツノがあったら、痛みがでるまえに、歯医者さんにつれていって、予防処置をしてもらいましょう。