健康寿命を伸ばすにはお口のケア(歯磨き)が大切な理由

高齢者

日本人は平均寿命が長く、長寿大国です。

一方で、今、注目されている言葉が、「健康寿命」です。

多くの高齢者は確かに80歳以上長生きしますが、足腰が不自由になって介護が必要な状態が、なんと10年近く続くことが問題になっています。

できれば、家族に迷惑をかけず、できるだけ健康に長生きして、介護が必要な期間を短くしたいですよね。

そこで、そんな健康寿命を伸ばす方法として、今、お口のケアが注目されています。

そんな健康寿命とお口のケアの関係性についてご紹介します。

お口のケアは免疫力をアップさせる!?

お口のケア、つまり毎日の歯磨きやうがいは、免疫力と大きな関係があります。

今や国民の8割がかかっている歯周病ですが、歯周病を引き起こす歯周病菌は、免疫力を低下させることがわかっています。

喉には、細菌やウイルスの侵入を予防するたんぱく質があります。

しかし、歯周病菌が増殖して喉に侵入してしまうと、このたんぱく質を破壊します。

その結果、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなってしまいます。

さらに歯周病菌は歯ぐきの毛細血管から侵入して、血管を硬くし、心臓病や脳梗塞といった病気のリスクを上昇させます。

ですので、お口のケアをしっかりとすることで、歯周病を予防することで、歯周病菌が減少し、感染症や、心臓病や脳梗塞のリスクを下げて、健康寿命を伸ばすことに貢献します。

さらに、歯磨きを1日1回する人と、歯磨きを1日2回の人では、なんと癌の発症リスクが歯磨きを1日1回しかしない人の方が2倍近く高いことがわかっています。

このように毎日の歯磨きは、健康寿命に大きく関わっているのです。

お口のケアは認知症予防にも効果的!!

がんや脳梗塞、心筋梗塞といった病気も怖いですが、今、介護が必要になる疾患で多くの方が不安に思っているのが「認知症」です。

認知症は脳の細胞が萎縮したり、働きが低下していくことで起きる病気で、なんと65歳以上の高齢者のうち15%もの人がかかっています。

2012年時点では462万人もの人が認知症を発症していることが厚生労働省の研究班の調べで確認されています。

2025年には700万人もの人が認知症になる可能性があることも報告されています。

ですので、認知症予防は非常に大切です。

そこで、重要となってくるのがお口のケアです。

70代の高齢者を対象に知能テストを行った結果、認知機能が正常なグループは歯の平均本数が14.9本に対して認知症の疑いがあるグループでは9.4本という結果がでています。

しっかりと自分の歯で噛むことで脳へ日々刺激が加わります。

脳に刺激が加わることで、認知症予防が期待できます。

ですので毎日のお口のケアで歯を守ることが、認知症予防へとつながるということです。

お口のケアは認知症予防が期待でき、そして健康寿命を伸ばすことにもつながるのです。

おわりに

お口のケアはとても大切です。

自分の歯でいつまでもおいしくご飯を食べるためにも、毎日の歯磨きと半年に一度の歯科検診を受けましょう。

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