最近、虫歯ではないのに歯が溶けてしまう、酸蝕症(さんしょくしょう)という歯の病気が注目をあびています。
酸蝕症という言葉を初めて聞くという人も多いと思いますので、そんな酸蝕症という歯の病気についてわかりやすく説明します。
酸蝕症ってどんな病気?
酸蝕症とは、歯が溶かされてしまう病気です。
しかし、虫歯菌にではなく、身の回りにある、酸性の飲み物や胃液によって歯が溶かされてしまう病気です。
一昔前は、酸蝕症になる人は特殊な仕事をしている人だけでした。
塩酸、硫酸、硝酸などを扱う工場において、酸が歯に作用して、歯を溶かしてしまう職業病が酸蝕症でした。
一般の人にはまずありえない病気だったのです。
しかし、最近では酸蝕症という病気が一般的にも認められるようになってきました。
酸蝕症はどうして、ここ最近、急増したのでしょうか。
1番の原因は食生活の変化
コーラや炭酸飲料などの清涼飲料水は強い酸性を示します。
さらに栄養ドリンクも、強い酸性の飲み物です。
こういった酸性度の高い飲み物を常習的に飲むと、歯は酸で溶かされてしまいます。
また、ワインなどのアルコールも酸性度の高い飲み物ですから、歯が溶かされてしまいます。
最近では健康やダイエット効果の期待できる酢やクエン酸も、もちろん、酸性度の高い飲み物です。
このような食生活の変化が酸蝕症を急増させています。
さらにもうひとつ、酸蝕症の原因があります。それは、ストレス社会の今ならではともいえる原因です。
酸蝕症のもうひとつの原因
「拒食症」による、嘔吐です。
過度のダイエットや、ストレスにやる拒食症は、常習的な嘔吐を繰り返します。
胃酸を非常に強い酸性の消化液です、
当然、歯はあっという間に溶かされてしまいます。
このように酸蝕症には現代社会ならではの原因があります。
酸蝕症の治療方法、予防
酸蝕症の治療法は、しみるの防ぐしみどめを塗ったり、つめものをしたりします。
重症の場合は、被せ物をしたりします。
清涼飲料水の飲み過ぎの場合は、生活習慣を改善することで、酸蝕症の症状を抑えることができます。
また予防方法として、酸性の強い飲み物は一日に何度も飲まない、特に寝る前は控えるようにしましょう。
さらにストレスをためないことも大切です。
おわりに
かつては職業病であった酸蝕症ですが、今では、身近にある病気のひとつです。
放置すると、歯が溶かされてどんどんしみて食事をおいしく食べられません。
日頃から、予防し、少しでも酸蝕症かもと思ったら、まずは歯科医院で適切な治療を受けましょう。