「虫歯予防にフッ素が効果がある!」ということを知らない人はいないくらい、フッ素は有名になりました。
ほんの一昔前までは、フッ素なんて言葉を聞いたことがない人が多かったのですが、今では歯磨き粉にはたいていフッ素が含まれています。
今回はフッ素の働きをより詳しく説明します。
虫歯は、虫歯菌の産生する酸によって、歯が溶かされます。歯が溶けるということは、歯のカルシウム成分が結晶構造からでていくことを意味します。結晶構造というのは、家の骨組みのようなもので、骨組みのネジがカルシウムです。カルシウムであるネジが外れるとそこからどんどん歯の結晶構造が崩れていきます。
唾液中には、カルシウムが含まれています。初期の虫歯であれば、少しのカルシウムが溶け出しても、唾液中のカルシウムが溶け出したカルシウムを取り込んでくれます。
しかし、ダラダラ長く食べていたり、歯磨きをしないと、口の中の状態が酸性に傾き、唾液中のカルシウムがうまく歯に取り込まれません。だから、ダラダラおやつを食べてはいけません。
虫歯の仕組みはわかったけど、では、フッ素はどんな役割をするのでしょうか?
フッ素はこの歯の結晶構造の骨組みを強くしてくれます。柱が5本だけのところを10本にしてくれるイメージです。柱が強ければ、多少溶けても、結晶構造が崩れにくく、虫歯が進行しにくいのです。
フッ素はとくに、歯が、子どもの歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)へ生え変わる小学生のころにしてもらうのが1番オススメです。
生えたての大人の歯(永久歯)は、未熟で、結晶構造が非常に弱いです。逆に言うと、成熟した大人の歯は結晶構造が出来上がってしまっているので、フッ素がとり込まれにくいですが、子どもの未熟な大人の歯は、フッ素が取り込まれやすいです。
小学生のときは、大人の歯が28本も生えてきます。ですので、半年に一度は、フッ素で歯を強くすると、生涯、虫歯になりにくくなります。
また半年に一回、歯医者さんに行ってフッ素をしてもらうのと併用して、毎日のデンタルリンスも効果的です。デンタルリンスの中でも、特に、虫歯に特化したものでは、フッ素が必要量含まれているので、虫歯予防に最適です。
各自治体にもよりますが、お子さんの一歳半検診、3歳児検診のときにフッ素塗布をしてもらえます。こういう機会にお子さんに積極的にフッ素を塗ってもらいましょう。
また、フッ素を半年に一回、歯医者さんに行って塗布してもらうには、他にもいいことがあります。それは、歯医者さんが怖くなくなることです。
歯医者さんに予防でずっと通っているお子さんは、中学、高校、大学生になっても小さな虫歯ができたとしても気軽に来院してくれます。フッ素を半年に一回塗布しに来てくれるお子さんは、大きくなっても、虫歯に困ることが非常に少ないです。
逆に、虫歯の治療をずっと我慢して、治療にきて、歯医者さんが嫌いな人ほど、将来、入れ歯になる確率が高いです。
お子さんが生涯、虫歯にならないために、半年に一度、歯医者さんに行ってフッ素塗布をして虫歯予防をしましょう。