歯肉炎になると、どうして歯茎から出血するの?

歯茎から出血

「歯を磨くといつも歯茎から出血がある」と相談に来られる患者さんはたくさんいらっしゃいます。歯茎から血がでたら、それは、歯肉炎という病気かもしれません。

歯肉炎になると、歯茎が痛くなったり、口が臭くなったり、口の中がネバネバしたりします。中にはムズムズ痒い感じがすると訴える患者さんもいます。

歯肉炎は、そもそも、プラーク(歯垢)による歯茎の炎症です。歯肉炎の原因、プラークは、ただの食事の後の食べカスではありません。食べカスに、菌が大量に繁殖した菌の塊です。つまり、便と同じです。しかも、残念なことに、便よりも、その細菌の数は多く、便の約二倍の菌がプラーク中に生息しています。

当然、菌は体にとって、悪影響を及ぼします。歯茎は菌に感染すると、歯茎の中にある毛細血管という細い血管が、細菌と戦うために、血流をよくして、免疫物質を歯茎に届けます。血流がよくなることで、細菌と免疫細胞が戦い始めます。

このときに、歯茎の血流が健康なときの歯茎よりも多くなるため、歯を磨くと出血するようになります。

しかし、歯茎からの出血が嫌で、歯を磨くのをやめてしまったり、あまり磨かない人がいますが、それは逆効果です。歯を磨くのをやめてしまうと、さらに、食べカスがたまり、さらに大量の菌が増殖し続けます。そうすると、さらに体は細菌と戦うために、免疫細胞を歯茎へ行けるように、血流をよくします。その結果、歯茎がボンボンに腫れたり、痛みがでます。

また、細菌と戦った免疫細胞はずっと生きているわけではありません。細菌との戦いに負けると、死んでしまうので、死んでしまった免疫細胞は、体の外へ排出しなくてはいけません。

しかし、歯磨きをしないと、出血して、いらなくなった細胞や菌を排出できません。ですから、歯茎から出血しても、しっかりと歯を磨く必要があります。

健康な歯茎は、簡単に歯茎から出血することはありません。ですが、歯肉炎になった歯茎は、手で抑えるだけで歯茎から出血します。

歯を磨くときに、歯茎からの出血が気になるかもしれませんが、細菌を追い出すためにも、いらなくなった細胞を排出させるためにも、しっかりと磨かいて、出血させましょう。歯茎から出血したら怖いですが、出血を恐れずにしっかりと歯磨きをしましょう。

歯肉炎がよくなり、健康な歯茎になると、歯茎に存在する血管は通常の大きさに戻りますので、出血はしなくなります。出血しなくなったら、歯肉炎が治ってきたサインです。

また、歯肉炎がひどい場合はなかなか出血が止まりません。心配な場合は、歯医者さんを受診し、きちんとした治療を受けましょう。

毎日の歯磨きで歯肉炎は予防できます。歯茎から出血があれば、毎日の歯磨きを見直してみてくださいね。

スポンサーリンク
広告
広告
  • このエントリーをはてなブックマークに追加