歯周病は初期段階において、自覚症状がないため、早期発見がとても難しいです。
今回は歯周病を早期に予防した方と、歯周病が末期まで進んでしまった方のお話をします。
患者さんのAさんは、奥歯に少し違和感を覚えたので、来院されました。
まだ、虫歯による穴は小さかったので、痛みもなく、治療することができました。でも、Aさんの歯には歯石がたくさんついていて、歯周病の前の段階である歯肉炎でした。
歯肉炎は歯茎にのみ炎症がおこっている状態なので、歯石をきれいにとって、日頃の歯磨きをしっかりと頑張れば、元の健康な歯茎になります。
Aさんに歯石たくさんついていたことを説明し、定期的に歯の掃除の必要性を説明しました。口臭予防にもなるし、何よりも歯を失いたくないので、Aさんは定期的に歯のお掃除に来るようになりました。Aさんは今でも虫歯も一本もなく、しみたり、痛くなったりといったことになやんだことはありません。
一方、もう一人似たような状態のBさんも来院されていました。
虫歯は軽症でしたが、歯石がたくさんついていたので、歯石除去をし、歯周病のリスクが高いことを説明しました。
今はまだ歯肉炎ですが、ご自身でしっかりも歯磨きを頑張って、定期的に歯の掃除に通うほうが、歯が長持ちしますと説明しましたが、まだ噛めるし痛くないということで、一回限りの来院となりました。
その後、何年かしてBさんが来院されました。痛くないんだけど歯がグラグラして噛みづらいからどうにかしてほしいというのが、Bさんの訴えでした。
お口の中をみてみると、歯ぐきから膿がでていました。歯周病末期の状態で、保存はできない状態までになっていました。レントゲン写真でみても、骨が吸収しているのがわかります。
Bさんに歯を抜く必要があることを説明しました。しかし、Bさんは歯が痛くないのに、歯を抜くのはおかしいと言って、お薬だけもって帰られてしまいました。
その後、半年くらいたってまたBさんが来院されました。
歯茎が腫れて、夜も眠れなくなったからどうにかしてほしいとのことでした。
話を聞くと別の歯医者さんに行ったものの、全ての歯医者さんに歯を抜く必要があることを説明され、納得できず、今日までなんの治療も受けていませんでした。
さらに歯周病は進行し、前の段階では1本ですんだ抜歯も、5本抜く必要がある段階まで進行していました。
さすがのBさんも唖然としましたが、痛みもあり、レントゲン写真で骨がないことを理解すると、やっと歯を抜くことを決意してくれました。
その後、入れ歯になりましたが、相変わらず、定期的に来院されません。痛くなってどうしようもないときにだけ来ます。今では残りの歯は少なく、あと2、3年もすれば総入れ歯になるでしょう。
もし、歯周病の初期の段階で、定期検診に着ていれば、歯をたくさん抜く必要はありませんでした。
また、その途中地点でも、一本歯を抜いて、定期的に着ていればこのような自体にはなっていません。
歯周病は末期まで症状がないので、初期の段階で患者さん自身がどういった病気かを十分に理解し、予防することが大切です。
ぜひ、自分の健康のために半年に一度は歯医者さんに行ってくださいね。