歯周病は非常に怖い病気です。
歯周病を放置すると、どんどん歯の周りの骨を破壊し、歯を抜くしかなくなってしまいます。
歯の周りには歯槽骨という骨があります。歯槽骨に支えられて、その周りに歯茎があります。歯と骨は歯根膜というクッションの役割をする膜でつながっています。
ところが、歯周病にかかってしまうと、この歯根膜が破壊されていきます。
そうすると、歯と歯茎の間には隙間ができ始めます。これが皆さんがよく聞く『歯周病ポケット』です。
一度破壊されると歯根膜の破壊はどんどん進行し、それに伴って歯周病ポケットが深くなっていきます。
最後には歯と骨をつないでいた歯根膜はなくなり、歯がグラグラし、抜け落ちてしまいます。
従って、この歯根膜が破壊され始めた初期には治療を開始しないといけません。
残念ながら一度破壊された歯根膜や骨が完全に元に戻るのは非常に難しいです。
それが、歯周病が不治の病と歯医者さんから言われている所以です。
では、どうすれば良いのでしょうか?
それは、『痛くなくても定期的に歯医者さんへ』ということが重要です。
歯周病の初期は痛みもなければ、ものが食べづらいという感覚もありません。これは骨などの組織破壊の程度がとても小さいからです。
そして、その破壊された状態になれ、さらに組織が破壊され、慣れるということが繰り返された結果、歯周病は悪化しています。
その負の連鎖を止めるには、痛くなくても定期的に歯医者さんにいくことです。
歯周病は早く治療しないと、歯を失うのはもちろん、血管に細菌が入り、全身に菌が回りますので、糖尿病や心筋梗塞など持病をお持ちの方は持病の悪化にもつながります。
歯が痛くなくても、歯医者さんにプラークや歯石がついてないか、歯周病ポケットができていないか、そして歯周病ポケットが深くなっていないかをしっかりと検査してもらってください。
そこで普段の歯磨きのやり方を見直し、汚れをきれいにしてもらえば、プラークや歯石の蓄積を防げます。
また、未然に歯を失うのを防ぐことができれば、ブリッジという治療をやらずにすみます。ブリッジとは抜けた歯の前後の両方の歯を削ってするかぶせものです。
健康な歯を削ってかぶせものすると、確実にその歯の寿命を短くし、将来的にその歯はなくなります。
定期的に歯医者さんに行くということは、未然にそういう治療を受けることを防ぐことができます。負の連鎖反応を止めることができるのはあなたしかいません。
ぜひ、歯周病に掛からないために歯の定期検診を受けましょう。