歯周病は口臭の原因にもなるし、歯も失ってしまうこともあります。歯周病になったら、ひとつもいいことがありません。
そもそも、どうして歯周病になるのか、その原因について説明していきます。
歯周病は今や現代人の8割がかかっている生活習慣病の1つです。
しかし、今70代80代のおじいちゃん、おばあちゃんたちの世代のときは全く認知されていなかった病気です。なぜなら、昔は虫歯で多くの人が80歳になるまでには総入れ歯になっていたからです。
昔の人は虫歯で歯がなくなっていたので、歯周病になりたくてもなれなかったという表現が近いかもしれません。
糖尿病と歯周病は同じような成り立ちになります。糖尿病は戦後の貧しい日本人にはまず、いませんでした。高度経済成長により、国民の生活は豊かになり、食料に困ることはなくなりました。その結果、栄養過多となり肥満が増え、糖尿病という病気を発症する人が増加しました。
歯周病も同じような成り立ちですが、違いがあります。歯周病は歯医者さんの努力の結果、歯周病にかかる方が増えました。
でも、勘違いしないでください。これは、素晴らしいことです。歯医者さんたちは痛みに苦しむ人を減らすために、虫歯を予防し、歯を失うことを予防できるような治療を積極的にしてきました。
その結果、戦後と今の日本を比べると、一生に虫歯になる本数は劇的に減少しました。
しかし、歯が残ることで、常に歯はプラークが付着する危険におびやかされています。そのため、歯磨きをしないと、汚れがたまり歯周病になります。
歯周病の原因は歯周病菌です。歯周病菌がいない無菌環境で生活をするか、極端な話、何にも口からご飯を食べなければ、歯周病にはなりませんが、実際には不可能です。
では、歯周病の原因である歯周病菌が歯に付着しないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
中には、薬を飲んで歯周病菌を殺せばいいのではないかと思っている方もいるかもしれません。
もちろん、よく歯茎が腫れて、抗菌薬を飲んだら、よくなったという方は多いと思います。しかし、それは、根本的な解決にはなりません。
薬を飲んでも人を無菌状態にはできないので、薬で一時的に歯周病菌を抑えられても、完全に抑えることはできません。
ですので、歯周病菌をいかに減らせばいいのかというと、結局、毎日の歯ブラシで歯周病菌の温床である歯の汚れ、プラークを徹底的に除去するしかありません。
歯周病にならず、生涯、自分の歯で毎日おいしいご飯を食べるためには毎日歯を磨きましょう。それが一番の歯周病の原因を減らせる最善の方法です。