今回は、歯の矯正について、矯正の大切さやその疑問について説明させていただきたいと思います。
ぜひ、矯正を考えている方が、いたら、お子様の未来のために矯正をしてあげてください。
歯の矯正はすべきか?
矯正が必要なお子様がいて、歯医者さんに矯正を勧められたら、矯正はすべきです。
なぜかというと、矯正はそのお子さんの、未来をも左右する可能性があるからです。
たいていのお母さんたちは、矯正=整形のイメージに近い印象をお持ちです。もちろん、顔の印象というのもお子さんの将来を十分に左右しますから、その点においても矯正は十分に意味があります。人は必ず顔にどこかしろのコンプレックスがあるので、それを一つでも解決してあげることができれば、そのお子さんの自信にもつながります。
しかし、矯正は見た目だけではありません。
歯並びが悪いと食事をスムーズに食べることができません。わかり易い例をお話します。アントニオ猪木さんのようにしゃくれている人がいますが、こういった方はご飯を上手く食べることができていません。
これは下あごが上の前歯よりも前に出ていて、お肉などの食品は上手く噛み切ることができないからです。多くの方は丸呑みに近い食事になります。これは、食事を味わうのが難しいどころか、胃や腸などの消化器官への負担が大きくなります。また、歯並びが悪いと歯並びがキレイな人と比べて、汚れが溜まりやすく、虫歯になり、歯を失う可能性が高いです。
そして、もう一つ、重要な意味があります。それは、会話です。
言葉の発音には歯並びがとても大きな影響を与えます。出っ歯の方は前歯が飛び出しているため、空気が抜けやすく、サ行の発音が上手くできません。これは将来、営業など、接客するお仕事につくと支障がでます。アナウンサーはもちろん、大物司会者と呼ばれる芸能人のほとんどは矯正しているのはそのためです。
以上の点から矯正が大切なことはご理解いただけたと思います。
いつ矯正を始めたらいいの?
これは、年齢でいうと6歳がキーポイントとなります。6歳で一度、検査を受けていただきたいです。なぜかというと、6歳は、噛みあわせに重要な6歳臼歯という大人の歯が生えてくるからです。
この噛みあわせを診断することで、将来出っ歯になる可能性が強いのか、またしゃくれてしまう可能性があるのかわかります。
もちろん、他にもレントゲンやすでに生えている乳歯など、様々な検査をして、将来どういう歯並びになるかを診断し治療します。
ただ、6歳臼歯上下左右で4本ありますので、全て生え揃わないと診断できません。ですので、成長によって、4本全て生え揃っている子もいますし、1年から2年かけて、生えそろう子もいますので、個人差があります。平均的には6歳ということになるので、6歳がキーポイントとしました。
歯の矯正で失敗はあるの?
注意点があります。検査をしっかりとしないと、治療結果が失敗に終わる可能性があります。
どうして歯並びが悪くなるのか、その原因には大きく分けて2つあります。
1つは、顎に対して歯が大きすぎて並ばないなど、歯が原因のもの、2つ目は顎が小さすぎるもしくは、顎が成長しすぎるなどの顎の骨が原因のものです。
特に矯正治療に多い失敗は骨が原因で歯並びが悪い場合です。
骨が原因なのに、歯を抜いて引っ込めようとしても、既に成長してしまった骨は矯正できません。歯を間違って抜いてしまい、さらに歯並びが悪くなるという負のスパイラルになってしまいます。
この診断はとても難しいので矯正の専門医は歯科医になったあと、さらに最低でも5年かけて勉強をしています。矯正で失敗しないためには、きちんと勉強している矯正専門医のもとで治療する必要があります。
気になる歯の矯正にかかる費用・保険
歯の矯正は特定疾患以外は全て自費診療となり、保険がききません。
そのため、大人では100万円近く治療費がかかります。しかし、子どもの場合では、顎の成長をコントロールし、歯並びが悪くなることを未然に防ぐことができます。もちろん、成長を完全にコントロールはできないので、成長終了後に歯並びが多少悪い場合もありますが、ほとんどは軽度ですので、その後の治療は微調整ですみます。
大人で矯正を始めると、成長が終了しているため、歯を移動するのが困難なケースが多いです。そのため、子どもの矯正費用は30~50万円くらいになります。
もちろん、治療の種類や材料によって値段は違ってきます。
また、子どものときに矯正治療を始める場合、先程説明した、物が食べづらい、発音がしにくいなど、生きていく上で必要である治療と判断されるため、医療費控除が適用されます。
治療期間は成長を利用するため、成長度合いや性別などでも違ってきますが、男の子の場合は成長が高校、場合によっては二十歳くらいまで成長する子もいるので、長くなるケースが多いです。
歯の矯正は痛いの?
矯正治療の一番の難点は「痛い」ことです。歯を動かすにしろ、成長をコントロールするにしろ、力で正しい位置へ矯正するので、慣れるまでは痛みを伴います。
おわりに
生体にはない、ある程度強い力で歯をキレイにならべるので、自力で歯並びは治せません。ですので、専門医による力のコントロールが治療の鍵となります。