あなたは今まで、虫歯になったことはありますか?虫歯になったことがあるあなたは、どんな種類の歯磨き粉を使っていますか?もしくは、歯磨きをするときに、歯磨き粉をつけていますか?
なんとなく家に置いてある歯磨き粉を使っている、薬局のオススメの歯磨き粉を使っている、という方が多いと思います。
もし、「いつも虫歯になる」という人は歯磨き粉選びが間違っているかもしれません。虫歯になりやすい人が選ぶべき歯磨き粉についてご紹介します。
虫歯の初期では虫歯菌が歯の表面のエナメル質を溶かします。これを脱灰と呼びます。この脱灰された段階では、歯の表面が白くなります。ホワイトスポットとも呼ばれることがありますが、歯の色は真っ白ではなく、黄色に近い色をしています。
虫歯の初期では虫歯菌によって歯の表面が溶かされ、白くなります。白の濃度が濃いので、歯の黄色味がかった白と比べると、違いがわかります。この段階ではまだ、歯に穴は空いていません。しかし、歯の表面のエナメル質はもろく、虫歯が進行しやすい状態であるため、この状態のまま放置すると、そのうち穴が空いてしまいます。
ですので、良く虫歯になりやすい人は口の中にある歯のあちこちで脱灰がおきて、そのまま穴があくまで放置されているということです。
また、虫歯になりやすい人はもともと歯の質が弱く、脱灰が起きやすい場合もあります。これは遺伝的な影響も多いです。ですから、汚れを予防することは大切ですが、再石灰化を促さないと、常に歯は虫歯になりやすい状態です。
そこで、虫歯に効果を発揮するのがフッ素です。このもろくなった歯の表面のところにフッ素が作用すると、歯の結晶構造を強くしてくれます。これを再石灰化とよび、脱灰したところを再び、固く、石灰化してくれます。
虫歯は治らない病気と言われていますが、この脱灰した状態であれば再石灰化して、治ります。ところが、穴が空いてしまいますと、もう二度と元には戻りません。
ですから、日頃の歯磨きで、虫歯になりやすくなっているところ、脱灰しているところを再石灰化してあげることが大切です。それには虫歯に効果のある、再石灰化を促してくれる歯磨き粉を選ばなければいけません。それがフッ素です。
フッ素濃度が高ければ高いほど、初期の虫歯を治す再石灰化能力が高くなります。薬事法で市販の歯磨き粉に含むことのできるフッ素の最大量が決まっているので、最大量入った歯磨き粉を選ぶことをオススメします。
また、昔はよく、歯磨き粉をたくさんつけてはいけないといわれていましたが、最近では違います。フッ素のたくさん含まれた歯磨き粉はたくさん使って歯に刷り込むように使いましょう。歯の表面がもろくなっている、脱灰しているところに浸透しやすくなり、再石灰化が起こりやすくなります。
また、歯磨き粉を選ぶときにフッ素と、もうひとつ、低研磨性の歯磨き粉を選びましょう。歯磨き粉には歯の表面の汚れを取るために研磨剤が入っていますが、たくさん入っていると、歯の表面が削れてしまいます。歯の汚れは研磨剤が入っていなくても、歯ブラシの毛先をきちんと当てて磨けば落ちるので、歯磨き粉を選ぶときは研磨剤が入っていない、もしくは低研磨性のものを選びましょう。
また、歯周病用の歯磨き粉は、殺菌効果があるため、虫歯菌にも効果がありますが、フッ素が入っていない、もしくは入っていてもから有効量入っていない場合が多いので、虫歯の初期の脱灰を治す、再石灰化効果はあまり期待できません。
再石灰化を促すにはフッ素がもっとも効果的ですから、虫歯になりやすい人は、高濃度フッ素歯磨き粉を選びましょう。毎日の歯磨き粉にフッ素が含まれていれば、虫歯になりかけていても、フッ素が再石灰化をしてくれます。
日頃の歯磨きに虫歯予防に効果のあるフッ素歯磨き粉、そして低研磨性の歯磨き粉を選びましょう。毎日のケアで再石灰化を促せば、未然に虫歯を予防することができます。
また、さらにより効果的に虫歯予防をしたい方は、歯医者さんで専用のフッ素を塗ってもらうと、より歯が強くなって、虫歯になりにくくなります。特に歯がまだ成熟していないお子さんは日頃からフッ素を取り入れて、半年に一度は歯医者でフッ素を塗ってもらって歯を強くしてもらいましょう。